生産緑地を含め、農地関連法が、法人を含めた新規農業参入希望者にウェルカムな方向で改正が続いています。
これらの改正により、「農地を所有できる」以外には、農地所有適格法人となるメリットを私個人的にはあまり感じられなくなっているのですが、昨年くらいから、農地所有適格法人化を望まれる相談が増えていますので、今日は普段相談をいただいた際に最初に皆様にお伝えしていることをまとめてみました。
選択時の参考としていただければ幸いです。
適格法人化最大のメリットである農地所有ですが、法人所有農地の場合、法人が農地所有適格性を失うと所有農地を手放させられる運びとなります。そんな農地所有適格性は、株主要件や役員要件の維持はさほど問題はないと推察致しますが、売上要件については、事業が多岐にわたる法人の場合維持が難しく、このため農業専門の別法人を作る事例も少なくありません。
また、ネット上の情報として融資や補助金に有利と記載されていますが、この手のネット情報については、自身の運営に必要な制度か、利用できる制度か、事前に確認をされることをおすすめします。制度によっては、その地域に新規参入した外様農業者にはハードルが高いケースや、他の認定を受ける選択肢が現実的なケースも少なくありません。
さて、そんな農地所有適格法人ですが、多くの方が誤解されていることですが、農地所有適格法人になるために特別の手続は必要ありません。役所に農地所有の許可を申請した際等に、農地所有適格法人の要件が具備されているか、審査されるだけです。
そのかわり、無事に適格性が認められ農地を取得したとすると、以後当該法人は毎年適格性を維持している旨の報告を行うことになります。
結論を申しますと、農地を所有するためには農地適格法人でなければなりませんが、法人が農業参入をする上で農地所有適格法人要件を満たす必要はありません。
農地を法人で所有する必要があるのか、まずはそこを確認されたうえで、農地所有適格法人化の必要性を考えてみてはいかがでしょうか。
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