新潟県新潟市の農業コンテナ設置工事現場です。新潟といえば米どころ。畑作に比べて広大な面積を管理しやすい稲作中心の農業地域故に、固定観念としての50aの壁がぶ厚かったですが、農業特区の新潟市には、農業委員会事務局とは別に、農政の専門的な部署が機能していたおかげで、通達等行政文書の内容をベースに交渉できたので、私の立場としてはある意味楽でした。
その反面、都市計画課の法解釈があまりにも低次元で、結果として大きな経済的負担を強いられたことは非常に残念でしたし、現実的な問題として、行政のおかしな法運用に対し問題を提起することが難しいのに、全権が現場地方公共団体の役人レベルで完結してしまう都市計画法について疑問を感じずにはいられません。
クライアントの意向もあり、行政と矛を交えないこととしましたが、農地法上は「耕作されているものとみなす」農作物栽培高度化施設が、都市計画法上は缶詰工場と同様の扱いとなり、その後バトンタッチをした建築士等からの話によると、開発行為による緑化率義務を課され、さらにあわや農振地域青地のど真ん中に公園を作らさせられるところだったとのことです。都市化を抑制し第一次産業を守るために設けられた市街化調整区域なのに、物事の本質をみずに法29条の適用を拒否した愚かな判断です。
地方分権の名のもとに、能力のないものに強大な権限を与えることに疑問を感じます。
閑話休題。
さて、このコンテナ農業。一般の露地栽培、いわゆる野良仕事と比較して、年間を通しコンテナ内は一定の気温を維持している環境ですし、なによりこのコンテナ農業、高湿度となる菌床シイタケ栽培につきものの蠅をみないんですよ。不思議と。
なお、当該施設では、就労支援事業の作業場としての側面も担うようなので、ひとりでも多くの人の生きがいにつながれば、関わったものとしては光栄です。
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